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1. 売り方(販促方法)
①従来から日本型BtoBマーケティングは、
ファーストコンタクトから成約まで人的な営業活動、つまり、
フィールドセールスを中心に展開する販促スタイルをとってきた。
この販促スタイルは、ブランディングを活用したプル型販売促進
との対比で、プッシュ型販売促進と呼ばれる。
②人的営業に依存した売り方は世界的に見ると一般的ではない。
欧米では、以前からプル型販促も活発である。
日本が欧米に比べて、人的営業に依存した市場活動が
一般的だった理由は、需要が地理的に集中しているため。
↓
現在、プッシュ型販促からプル型販促へのシフトは、
コミュニケーションコストの低下により、そのメリットが拡大している。
特に、ネットを通じた顧客接点強化の費用対効果は極めて高くなった。
③一方、フィールドセールスの担い手である優秀な営業人材は、
どこも引く手あまたで転職市場での価値も上昇傾向が続いている。
希望給与金額が上がり、人件費高騰の一因になっている。
↓
つまり、フィールドセールスによる、
プッシュ型販促の費用対効果が相対的に低減傾向にある。
2. 中国BtoBマーケティングの現況分析
①中国BtoBマーケティングにおいて、人的な営業活動に頼った
プッシュ型販促は、コストが高く、効果が低下している。
一方、ネットを通じた顧客接点によるプル型販促は、
費用対効果が高く、価格競争に巻き込まれにくいメリットがある。
↓
しかし、プル型販促には、固定的な初期投資が必要であり、
売上げによって回収しなければならないというリスクもある。
②そのため、プル型販促を成功させるには、自社の提供する
商材の価値、すなわち「コンセプトを明確にすること」が重要。
コンセプトを決めることは、顧客の要望に一方的に従うのではなく、
自らリスクをとって市場に打ち出すことを意味する。
↓
そのためには、以下が必要になる。
「顧客の現場に深く入り込み、潜在ニーズを探り出すこと」
ニーズとは、何かをしたいという欲求のこと。
潜在ニーズとは、顧客自身も気づいていない、明確化されていないニーズのこと。
つまり、潜在ニーズとは、何らかの欲求はあるが、「何が欲しいか」を
自覚しておらず、明確に理解できていない状態であるとも言い換えられる。
市場においては、ニーズが顕在化している顕在層と比較して、
潜在層のニーズの割合の方が多いことが一般的である。
③今回は、プル型販促のメリットとリスク、
そして成功させるための方法についてお話する。
3. プッシュ型販促の限界
①プッシュ型販促とは、営業担当者が顧客に積極的にアプローチし、
商材の特徴や利点を説明し、購買意欲を喚起することを指す。
この方法は、長年にわたって日系企業のBtoBマーケティングの主流
だったが、近年ではプッシュ型販促の効果が低下していると言われる。
②プッシュ型販促の効果が低下している理由は、以下の4つが挙げられる。
・顧客の情報収集能力の向上
・顧客の購買プロセスの変化
・営業管理の困難さ
・コストの増加
【理由❶】顧客の情報収集能力の向上
ネットの普及により、顧客は、
自分で商材の情報を簡単に入手できるようになったため、
「営業担当者からの情報提供」に頼る必要がなくなった。
また、顧客は自分のニーズに合った情報を選択的に受け取る
ことができるため、営業担当者からの押し売りに対して、
「抵抗感」を持つようになった。
【理由❷】顧客の購買プロセスの変化
顧客は、商材の購入に際して、より慎重になっている。
特に、高額な商材や長期的な契約を伴うBtoB商材の場合、
顧客は複数の選択肢を比較検討し、複数人の意思決定プロセス
を経てから購入に至る。
↓
そのため、営業担当者が一方的に提案するだけでは、
顧客の購買意思に影響を与えることが難しくなった。
【理由❸】営業管理の困難さ
中国人営業マンの中には、以下の気持ちを持つ人が少なくない。
・与えられた職務の中では、自分のペースでやりたい気持ちがある
ため、自分の情報はなるべく出したくない
・メンツを重んじる面があるため、自分に不利な情報は最後まで
出したくないと思っている
これが上司が正確な営業状況を把握する阻害要因になっており、
中国での営業管理を難しくしている。
【理由❹】コストの増加
プッシュ型販促は、人的な営業活動に大きく依存している。
そのため、営業マンの採用や教育、移動や交通費などのコストがかかる。
また、営業マンの能力やモチベーション(やる気)によって、
属人化しており、販促効果にばらつきが生じる。
↓
これらのコストは商材価格に反映されるため、顧客にとって負担になる。
4. プル型販促のメリット
①プル型販促とは、顧客が自発的に商材に興味を持ち、問い合わせ
や購入に至ることを指す。
この方法は、ネットを通じた顧客接点によって実現される。
例えば、ホームページやブログ記事(お役立ち情報)、WeChatなど
のオンラインメディアで、商材の価値や魅力を伝えるコンテンツを
提供することで、顧客の関心を引くことができる。
②SEO対策の手法で、顧客が検索するキーワードに合わせて、
自社ホームページやコンテンツを上位に表示させることで、
顧客のアクセスを増す。
③プル型販促の方法には、以下の2つのメリットがある。
・費用対効果の高さ
・競争に巻き込まれにくさ
【メリット❶】費用対効果の高さ
プル型販促は、以下を実現できる。
・ネットを通じた顧客接点によって実現されるため、
人的な営業活動に比べて、トータルコストが低くなる
・顧客のニーズや行動に応じて、最適なタイミングや方法で、
コミュニケーションすることができるため、販促効果が高くなる
・顧客のデータを収集し、分析し、活用することができるため、
マーケティングの効率や精度を向上させることができる
・顧客のデータを元に、パーソナライズされたコンテンツを
提供することで、顧客の満足度を高めることができる
・顧客のデータを共有し、協力し、フィードバックすることで、
顧客との関係を強化し、長期的なパートナーシップを築ける
【メリット❷】競争に巻き込まれにくさ
①プル型販促は、一般的に人的な営業活動が中心となる
プッシュ型販促より価格競争に巻き込まれにくい。
②プル型では、ホームページの記事コンテンツ(お役立ち情報)
やメルマガなどを起点として、製品の選択や引き合いが生ずる。
いわゆる商材における「指名買い」である。
結果、価格ではなく、商材への顧客の関心や取得欲求が購買行動
の動力源になりやすく、価格競争から距離を置くことができる。
③つまり、ブランドを中心に置く販促スタイルは、事業や売上げが
大きくなれば規模の経済によってコスト構造が改善されていく。
さらに顧客からの「引き」が価格競争の回避に結びつきやすい。
↓
しかし、プル型販促は、初期に固定的な投資が欠かせないため、
以下が必要になってくる。
「リスクを取りつつ、売上げを拡大し、固定費を配賦していく姿勢」
④プル型販促には、以下を実現する効果がある。
・顧客が自発的に商材に興味を持つことを前提としているため、
顧客は商材の価格だけでなく、価値や魅力にも注目する
・顧客との関係を深めることで、信頼や満足を高めることができる
⑤上記により、顧客は他社の商材に乗り換えることをためらうようになる。
つまり、プル型販促は、
価格競争に巻き込まれにくく、収益性を高めることができる。
4. プル型販促のリスク
プル型販促のリスクとは、以下の2つが挙げられる。
・固定的な初期投資の必要性
・コンセプトの重要性
【リスク❶】固定的な初期投資の必要性
①プル型販促は、ネットを通じた顧客接点によって実現されるため、
ホームページやコンテンツの制作や運用、SEO対策などの施策の
実施など、固定的な初期投資が必要になる。
これらの投資は、売上げによって回収しなければならないため、
プル型販促の効果が現れるまでには時間がかかる。
②また、ネットの環境や顧客の嗜好は常に変化するため、
ホームページやコンテンツの更新や改善、施策の見直しや最適化
など、継続的な投資も必要になる。
【リスク❷】コンセプトの重要性
①プル型販促は、顧客が自発的に商材に興味を持つことを
前提としているため、自社の提供する商材の価値、
すなわち、「コンセプトを明確にすること」が重要。
コンセプトとは、商品やサービスが解決する問題や満たすニーズ、
それによって提供する利益や感動など、商材の本質的な魅力を表すもの。
②昨今、ネットを通じた顧客接点により、
簡単に競合他社と比較されるのが当たり前になっている。
過去、中国日系企業の利益率はほぼ一貫して低下してきた企業が多い。
とりわけ利益率の低下が顕著なのはBtoB関連の製造業である。
この理由の1つは、自らコンセプトの策定をせず、
顧客の要望に一方的に委ねているため。
③顧客企業は同じような要望を競合企業にも提示している。
その要望に応えることにばかりに目が向いてしまうと、
同じコンセプトの製品が市場にあふれることになる。
↓
そうなると、受注の決め手は価格にならざるをえず、
結果、レッドオーシャン(過当競争の市場)になってしまう。
④コンセプトを決めることは、顧客の要望に一方的に従うのではなく、
自らリスクをとって市場に打ち出すことを意味する。
そのためには、顧客の現場に深く入り込み、以下が必要。
「潜在ニーズを探り出すこと」
5. まとめ
①今、プル型販促はBtoBマーケティングの新しい売り方として
注目されていますが、成功させるには以下が必要です。
・自社の商材の価値(コンセプト)を明確にすること
・顧客を深く理解し、市場に対して自信を持って提案すること
②中国BtoB企業の経営層には、以下のプル型販促である
マーケティング手法を展開する姿勢が求められています。
・インサイトマーケティング
・コンテンツマーケティング
インサイトマーケティングとは、購買者の購買動機や購買行動に至る
理由を分析し、新たな需要と市場を作りだすことを目指す戦略のこと。
コンテンツマーケティングとは、自社商材に関連する有益な情報を
提供することで、見込み客の信頼や関心を高め、最終的に購買に
繋げるマーケティング手法のこと。
(上記の画像は DALL・E3によって作成されたものです)
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