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【中国E15】 社会心理学視点で分析した「マーケティングの誤り」2024.12.19
1. 購買者の行動原理の把握
①マーケティング活動の現場では、購買行動を促す
ために「購買者の行動原理の把握が求められている」。
しかし、一見すると、不合理と思われるような行動
を取るケースも多く、理解しづらいその行動原理が、
企業の施策設計を阻んでいる場合がある。
②購買者の行動には、心理的要因が大きく影響する。
例えば、認知バイアスが購買決定に影響を与えることがある。
ある調査によれば、商材の機能や価格だけでなく、
以下が購買行動に影響を与えている。
・オンラインプレゼンス
・ブランドのイメージ など
認知バイアスとは、私たちが意思決定をするときに、先入観や経験則、
直感などに頼って非合理的な判断をしてしまう心理傾向のこと。
人間の脳は日々膨大な情報を判断する必要があり、すべてをゼロから
検討していては疲弊してしまう。
そこで、判断に使うエネルギーを節約するために、過去の経験が参照
できそうな問題については経験則で結論を出す癖を身につけた。
↓
この脳の癖によって、最善と思われる意思決定をスピーディーに行え
るようになった一方で、思い込みによる誤った判断(認知の歪み) を
しやすくなった。
認知の歪みは誰にでも発生し得るものだと認識することが大切。
③購買者の行動は、社会的な影響も受ける。
例えば、口コミやレビュー、SNSの投稿が
購買決定に大きな影響を与えることがある。
特に中国BtoB市場では、「市場の評価」や、
「業界のトレンド」が重要な要素となる。
④経済的な要因も購買行動に影響を与える。
価格やコスパはもちろん、投資対効
果(ROI)も重要な判断基準となる。
↓
BtoB企業では、長期的なコスト削減や、効率化を
重視する傾向があり、これが購買決定に直結する。
⑤購買者の行動原理を把握することは、効果的
な「マーケティング戦略を立案する上で不可欠」。
今回は、社会心理学の視点から、マーケティ
ングにおける誤りを分析したお話をする。
2. 【誤り❶】売上額の減少を引き起こす「お試し価格」の危険性
①企業が集客目的で実施する「お試し価格」による
販売促進は、一見効果的に思えるが、実際には売上
額の減少を引き起こす危険性がある。
これは商品の価格を下げることで購買者が認知する
価格、つまり「内的参照価格」を下げてしまうため。
↓
結果、通常価格に戻った際に購買者が、「高い」と感じ
るようになり、最終的に総売上げが下がることになる。
内的参照価格とは、購買者の記憶の中に保持されている、
実売価格の高い安いを判断する際の基準となる価格であり、
購買間隔の長い耐久財などの価格判断において用いられる。
例えば、ある企業が新製品の導入時に割引を行ったとする。
初期の売上は、増加するかもしれないが、割引終了
後に通常価格に戻すと、顧客はその価格を高く感じ、
購入を控えるようになる。
これにより、長期的な売上の減少が発生する。
②価格の信頼
価格を下げることは、繊細で戦略的なプロセス。
↓
裏付けの無い漠然とした値下げや、
頻繁に価格を下げることは避けるべき。
価格交渉の場合でも、ボリュームディスカウント
や、妥協点の提示など、相手にとってもメリット
のある提案をすることが鍵になる。
3. 【誤り❷】過度なプロモーションによるブランド価値の低下
過度なプロモーション活動は、一時的な売上増加を
もたらすかもしれないが、長期的にはブランド価値
の低下を招く可能性がある。
↓
頻繁な割引やセールは、顧客に以下の印象を与え、
ブランドのプレミアム感を損なうことになる。
「このブランドは常に安売りしている」
例えば、あるBtoB企業が毎月のように、
大規模なセールを実施しているとする。
顧客は「どうせまたすぐにセールがあるだろう」
と考え、通常価格での購入を避けるようになる。
これにより、ブランドの価値が低下し、
長期的な売上の減少に繋がる。
4. クーポン配布で「特別感」を演出
①内的参照価格を下げることなく集客プロモーション
を実施する方法として、「クーポン配布戦略」がある。
これは、実際に商品の価格を下げる代わりに、
割引クーポンを配布するというもの。
↓
経済学的には値引きとクーポン配布は、同じ現象として捉
えられるが、心理学の視点では、その効果は大きく異なる。
②クーポンの場合、表示価格は変わらないため、
「このクーポンを持っているから特別に安いんだ」
という「特別感」を感じさせることができる。
これにより、心理的に「例外処理」が行われ、
内的参照価格に影響を及ばない。
↓
つまり、クーポンの配布により、ブランド価値を
下げることなく、値引きと同程度の効果を持ちな
がらもブランド価値を維持することができる。
例えば、あるBtoB企業が特定の期間中にクーポン
を配布し、そのクーポンを使用することで割引を
受けられるキャンペーンを実施したとする。
顧客は、クーポンを利用することで特別感を感じ、通常
価格に対する認識が変わらないため、キャンペーン終了
後も、通常価格での購入を続ける可能性が高まる。
③BtoB企業が特定の期間中に実施するクーポン戦略
効果が高く、興味深いクーポン戦略
をランキング形式で以下に紹介する。
【第❶位】限定クーポン配布キャンペーン
(概要)特定の期間中に限定クーポンを配布し、早期に
利用することで割引や特典を受けられるキャンペーン。
(効果)限定感を演出することで、顧客の購買意欲を高める。
早期利用を促すことで短期間での売上増加が期待できる。
(事例)ある企業が新製品のリリースに合わせて、初回購入
者限定のクーポンを配布。クーポンの有効期限を短く設定
することで、リリース直後の売上を大幅に伸ばした。
【第❷位】紹介クーポンキャンペーン
(概要)既存顧客が新規顧客を紹介することで、
両者にクーポンを提供するキャンペーン。
(効果)既存顧客のロイヤルティを高め
ると同時に、新規顧客の獲得にも繋がる。
(事例)ある企業が既存顧客に対し、友人を紹介すると、
双方に割引クーポンを提供するキャンペーンを実施する。
これにより、新規顧客の獲得と、
既存顧客の満足度向上を実現した。
【第❸位】バンドルクーポンキャンペーン
(概要)複数の商品やサービスをセットで購入すること
で、割引を受けられるクーポンを提供するキャンペーン。
(効果)顧客の購買単価を上げるとともに、
関連商品の販売促進にも繋がる。
(事例)ある企業が、特定期間中に複数の製品をセット
で購入すると、割引が適用されるクーポンを配布する。
これにより、顧客の購買単価が増加し、
在庫の回転率も向上した。
【第❹位】ロイヤルティクーポンキャンペーン
(概要)長期的な利用や一定の購入額に達した顧客
に対して、特別なクーポンを提供するキャンペーン。
(効果)顧客のロイヤルティを高め、継続的な利用を促進する。
(事例)ある企業が年間契約を更新した顧客に対し、
次回の契約時に使用できる割引クーポンを提供する。
これにより、契約更新率が向上し、
顧客のロイヤルティも強化された。
【第❺位】イベント連動クーポンキャンペーン
(概要)展示会やセミナーなどのイベント参加者に
対して、特別なクーポンを提供するキャンペーン。
(効果)イベント参加者の関心を引き、
イベント後のフォローアップを強化する。
(事例)ある企業が展示会で、ブースを訪れた参加者に
対し、後日オンラインで使用できる割引クーポンを配布。
これにより、展示会後の商談数が増加し成約率も向上した。
5. 顧客の心理的負担を軽減する「フリーミアム」モデル
「フリーミアム」モデルとは、基本的な商材を無料で提供し、追加機
能やプレミアムサービスに対して、料金を課すビジネスモデルのこと。
このモデルは、顧客に対して、心理的負担を軽減し、
最初のハードルを低くすることで、より多くの顧客
を引き付けることができる。
例えば、あるソフトウェア企業が基本機能を無料で
提供し、追加機能やサポートサービスに対して料金
を課すフリーミアムモデルを採用したとする。
顧客は無料で試すことができるため、導入のハードル
が低くなり、実際に使用してみて価値を感じた場合に
プレミアムサービスに移行する可能性が高まる。
6. まとめ
①マーケティング活動において「購買者の心理」
を理解し、適切な施策を講じることは重要です。
②社会心理学の視点から分析した、誤りを避ける
ことで、企業はより効果的な戦略を実施し、以下
を実現することができます。
「長期的な売上増加とブランド価値の向上」
③特にBtoB企業においては、クーポン配布などの
戦略を活用することで、顧客の心理的負担を軽減
し、ロイヤルティを高めることが重要です。
(参考)深層心理やニーズを探り出して、購買者の満足度を高める
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