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【中国トピック03】 中国日系企業社員におけるロイヤリティの現状と育成への提案2024.04.27
1. 社員のロイヤリティの欠如とは
①中国日系企業の人事担当者が直面する一般的な悩みの
1つに、社員のロイヤリティの欠如がある。
②以下のような声を耳にすることがある。
・うちの社員にはロイヤリティがない
・中国人社員は自分のことばかりで、会社という概念がない
ロイヤリティとは、ビジネス上では、
社員が会社に対して持つ忠誠心や愛社精神を指す。
2. 中国日系企業におけるロイヤリティの考え方
①日本の企業文化は、同一言語、同一文化の中で価値観を
共有し、長年にわたって会社で働くことで、自然と会社に
対する忠誠心が育まれるという特徴がある。
日本人駐在員が「うちの会社は」という言葉を使うのは、
長い年月をかけて培われたロイヤリティの表れである。
②しかし、グローバル化が進む現代では、多様な文化や言語を
持つ社員が増えており、従来のロイヤリティの概念も変化している。
中国日系企業においても、このグローバル化の波は例外でない。
↓
多様なバックグラウンドを持つ社員が集まる中で、
企業はどのようにして、
社員のロイヤリティを育むことができるのか。
そして、それはなぜ重要なのか。
3. 社員のロイヤリティを高める方法
【方法❶】共通のビジョンとミッションの共有
社員が会社のビジョンとミッションを理解し、共感することで、
自然と会社に対する忠誠心が生まれる。
(例❶)環境に配慮した製品を作ることで知られる
ある日系企業は、そのビジョンに共感する社員が多く、
高いロイヤリティを保持している。
【方法❷】キャリアパスの明確化
社員が自分のキャリアパスを明確に描ける環境を整えることで、
長期的なキャリアを会社とともに、築く意欲が高まる。
これにより、会社への帰属意識が強まる。
【方法❸】オープンなコミュニケーション
上司と部下の間に壁がなく、オープンなコミュニケーションが
行われることで、信頼関係が築かれ、ロイヤリティが育まれる。
定期的なフィードバックや、意見交換の場を設けることで、
社員が「自分の声が届いている」と感じるようにする。
(例❷)ある日系自動車メーカーの中国法人では、
社員のロイヤリティ向上のために、「ファミリーデー」
というイベントを定期開催している。
このイベントでは、社員が家族を工場に招き、
仕事の現場を見せることで、家族も会社の一員としての
誇りを感じるようになったという。
また、社員は家族に自分の仕事を理解してもらうことで、
仕事への誇りと責任感を新たにし、会社へのロイヤリティ
が一層深まるという効果がある。
(例❸)ある日系企業では、月に一度の全社員ミーティング
を開催し、経営層と社員が直接対話する機会を設けている。
全社員ミーティングの機会を設けることで、社員は、
「自分の意見が反映されている」と感じ、会社への帰属意識を強める。
4. 社員のロイヤリティは、会社の持続的な成長と発展に不可欠
日系企業が中国で成功を収めるためには、
従来の日本の企業文化を尊重しつつ、グローバルな視点を取り入れ、
多様な社員が共感しやすい企業文化の構築が求められる。
このような取り組みを通じて、社員一人ひとりが
「うちの会社は」と誇りを持って言える企業を目指すことが重要。
↓
それが結果として、企業の競争力の向上に繋がることになる。
5. 中国におけるロイヤリティの現状
①中国の現地法人で働く中国人社員は、有期の契約制が一般的。
中国人社員は1年、3年、5年といった期間で、
自分の人生を会社と契約し、仕事を全うする。
会社は中国人社員にとって、定められた時間を預ける場所
であり、自分のキャリアを築く場所でもある。
②一般的に、中国人社員は、
「自らのキャリアをどう過ごすべきか」を常に考えている。
このような状況の中で、日系企業はどのようにして、
中国人社員のロイヤリティを高め、長期的関係を築くことができるのか。
③そのための戦略を以下に挙げる。
【戦略❶】価値観の共有と文化の融合
日系企業は、自社の歴史や文化を尊重しつつ、
中国の市場と文化に合わせた価値観を共有することが重要。
社員の家族も参加できるようなイベントを開催して、
社員の会社への帰属意識を高めてみることをおすすめする。
【戦略❷】キャリア開発のサポート
中国人社員が自らのキャリアを重視する傾向にあるため、
個々のキャリアパスをサポートする制度を整えることが求められる。
研修プログラムや昇進の機会を提供することで、
社員のスキルアップとモチベーション(やる気)の向上を図る。
【戦略❸】パフォーマンスに基づく報酬制度
成果を正当に評価し、報酬に反映させることで、
社員の努力が認められると感じさせ、ロイヤリティを育むことができる。
↓
以下を導入することで、社員のモチベーションを維持し、
企業への貢献度を高めることが期待される。
・目標達成に向けたインセンティブ
・特定のプロジェクトでの優れた成果に対するボーナス制度
6. ロイヤリティの育成
①中国人社員が転職を決意する主な理由の1つは、
「発展空間」がないと感じるため。
中国人社員にとっての「発展空間」とは、以下を意味する。
・その会社でどれだけ成長の機会が与えられるか
・その会社でどれだけ自分のキャリアを築くことができるか
②ロイヤリティは、強要されるものではない。
会社の事業戦略に合わせた仕事の分配と配置、個人のキャリアとの
照らし合わせ、面談を含むコミュニケーションを通じて育成される。
↓
個人のキャリアを正しく把握し、会社の一員として成果を出し、
成長を実感できたときにロイヤリティは生まれてくる。
③キャリア開発プログラムの充実は、社員が、
自分のキャリアを築けるような環境を提供することが重要。
7. インナーブランディングと情報発信(中国日系企業の新たな挑戦)
①インナーブランディングとは、会社の理念や価値観などを社員に
理解してもらい、社内全体に浸透させるために行う啓蒙活動のこと。
これは、社員のモチベーションと自主性を高めることが
できるため、ロイヤリティの育成には欠かせない要素。
②ホームページ上での情報発信が重要。
自社ホームページ上で、以下を上手に情報発信を行うことで、
社員のロイヤリティを高めることができる。
・ブランドストーリーの共有
・価値観の浸透
・情報発信の強化
【挑戦❶】ブランドストーリーの共有
自社ホームページ上で、企業の歴史や創業者のエピソードを
社員に共有することで、企業のアイデンティティを強化する。
(例❹)ある日系企業は創業者の苦労話を定期的に紹介し、
社員が企業のルーツを理解する機会を提供している。
【挑戦❷】価値観の浸透
「企業の価値観」を社員教育プログラムに組み込むことで、
社員がそれを自然と行動に移すようにする。
(例❺)ある日系自動車メーカーでは、新入社員研修で、
環境保護の重要性を強調し、社員一人ひとりが、環境に
配慮した行動をとるよう促している。
【挑戦❸】情報発信の強化
自社ホームページを活用して、企業の活動や成果を積極的に
発信することにより、社員は以下ができるようになる。
・自社の動向をリアルタイムで把握すること
・誇りを持つことができること
(例❻)ある日系企業は、社員が参加した
地域社会への貢献活動を自社ホームページで紹介し、
社員のモチベーション向上に繋げている。
8. インナーブランディングはホームページとトップメッセージから始まる
①企業ブランディングは、
採用ブランディングを行う人事部門が主導すべき。
人事は、社員が企業の価値観や文化を理解し、
共感するための教育プログラムを企画・実施することで、
「インナーブランディング」を推進する。
②インナーブランディングは、
企業ホームページと、トップメッセージから始まる。
トップメッセージには、
経営陣のビジョンや企業の方向性が反映されるべき。
↓
自社ホームページ上で、社員がこれを読むことで、
社員は会社の目指す未来に対する理解を深めることができる。
③インナーブランディングは、社員が企業の理念や価値観を
理解し、それに共感し、行動に移すことを促す活動である。
これにより、社員は自社のビジョンとミッションを内面化し、
それを行動に移すことが期待される。
↓
このような取り組みを通じて、
社員は「うちの会社は」と、誇りを持って言えるようになる。
④インナーブランディングの成功は、社員が、
自社の価値観や目標に深く共感し、それを自分の行動や仕事に
反映させることで、企業全体としての一体感と向上心を醸成する。
⑤インナーブランディングは、社員が会社のビジョンと
ミッションを理解し、以下の機会を考える提供する。
「ビジョンとミッションを自分の仕事にどのように活かすか」
これは、社員が自分の仕事の意義を見出し、
より高いパフォーマンスを発揮するための重要なステップ。
↓
社員が自分の仕事に誇りを持ち、それを通じて
「会社に貢献している」と感じることで、ロイヤリティは自然と育まれる。
9. まとめ
①インナーブランディングは、社員が企業の一員としての
誇りと責任感を持ち、自分の仕事に情熱を注ぐことを促します。
これにより、以下ができるようになります。
・社員が自分のキャリアと会社の成長を同時に進めること
・企業がロイヤリティを基盤として、長期的な成功を築くこと
②社員が「うちの会社は」と、誇りを持って言える
企業文化の構築は、中国日系企業にとって、
グローバルな競争の中で、大きな強みとなるでしょう。
(上記の画像は DALL・E3によって作成されたものです)
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